シーバスのルアー釣りにおける初夏の攻略法

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夜光虫〜蒼い彗星を攻略せよ〜

 

 

 

いよいよ暖かくなってくる頃、ある現象に遭遇します。

春の間、調子が良かったポイントが全く釣れなくなるのです。

泳いでいるプラグを見ると、青白い光跡のようなものを残している。

 

なんだあれは?

 

そう、それが夜光虫です。

一般の人には美しくロマンチックな響きのある言葉ですが、僕らアングラーにとってはこれほど恨めしいものはありません。

夜光虫はプランクトンの一種で、赤潮と呼ばれる類と同じプランクトンです。

富栄養化した海水の水温が上がってくると、それを浄化するプランクトンが大量に発生します。水面を朱色に染めるもの。赤茶色に濁るもの。などなどがあります。

その朱色や赤茶色のプランクトンは夜になると青く光る性質があります。

昼間に赤茶色の潮をしていれば間違いなく夜はルアーが青白い光跡を残すのです。

 

 

夜光虫が出ている場合、じゃあ釣果としてはどうなのか?と聞かれれば答えはNOです

それも究極的にNOです。

ルアーが暗い海中の中で青白く光る状況は、どうもスズキには相当大きなルアーに見えるようで。そう簡単には釣れないと言っていいでしょう。

むしろ、シーバスのチェイスや反転までもが青白く光りますのので、余計くやしい思いを味わってすごすごと引き下がってくるのが一般のアングラーの定番パターンです。

 

 

じゃあ、どうしようもないのか、というとなんとかなります。

ダメな中でも一筋の光明を見いだせるパターンがあります。

夜光虫が最も発生するのは東京湾では5〜6月です。

他の地域はよく知りませんが似たようなもんだと思います。

好調だった春シーズンを突如不調に陥れるこの夜光虫にこれから5つのクリティカルパターンを紹介していきます。

 

 

 

 

クリティカル1:太陽

夜光虫は刺激を受けるとわずかに自分の体を発光させます。それがまとまってあの忌々しい光跡となって目に見えるのです。

しかし、その発光もそれ以上に明るい光があれば発光そのものが無効化します。

アングラーの目にもわからないし、シーバスの目にも解らなくなります。

その光のひとつが太陽の光です。

昼間だってルアーに刺激を受けた夜光虫は自分の体を発光させているはずですが、太陽光に比べれば微々たるもんなので目に見えません。

ということで、簡単で申し訳ありませんが、夜光虫が出るシーズンの王道パターンはマヅメ時もしくはデイゲームであるということです。

夜光虫が出ている時の潮色は基本的に赤茶色に近いことが多いです。

潮が濁っていればいるほどデイゲームではチャンスが増えると思っていいでしょう。

一般的に赤茶色を釣れない理由にするアングラーが多いようですが、それは完全な間違いです。

僕に限らず上級者と呼ばれる人のほとんどが実はこの赤茶色の潮を得意としています

魚の活性こそ高くはありませんが、他の人が出せない中で突出した釣果を叩き出せる可能性が極めて高いという意味で上級者は得意な潮ではないかと思います。

 

そのコツは一言で言えばナイトゲームの釣りをすることです。

デイゲームであっても、パターンはナイトゲームとほぼ同じなのです。

赤茶色に濁れば濁るほど、魚はある程度の光を求めて上層に位置します。

いつも書くように新聞の光がかろうじて読める程度の水深をスズキはキープします

 

それは橋脚であっても桟橋であっても船際でも一緒です。

勝負するルアーは当然ミノーとなるでしょう。

そしてシーバスは夜と同じようにルアーを活発に追うようになります。

考えてみてください。

濁りが入ればある水深以下は光の届かない真っ暗闇なのです。

水面と平行に明暗部が発生するのが濁った潮です。

 

その暗闇を利用してシーバスはストラクチャーから完全に離れたところまでルアーを追うことができます。

当然、濁りの中でルアーが見切られることも少ないのでスローリトリーブで構いません。

このように昼間に夜の釣りを再現すること。

それが夜光虫発生時のクリティカルパターンの王道です。

 

 

真夏の激澄みデイゲームの攻略はどうやるかって言うと、またの機会に

 

 

 

クリティカル2:光源

では、夜の釣りの場合はどうすればいいのでしょうか。まず一つの考え方は1と一緒です。

夜光虫を打ち消してくれる強力な光の中で釣りをするだけでいいのです。

例えば照明の下。

通常でもポイントになるところですが、その灯りが明るければ明るいほど、このような夜光虫発生時期になると極めてストロングなポイントに変身します。

真っ暗な沖側の潮より、ビル全体の灯りが照っている湾奥の奥の運河の方が釣りやすくなります。

普段は明るすぎて見切られやすいポイントですが、潮が濁る夜光虫の時期は立場が逆転するのです

ストラクチャーが点在していればそれは決定的と言っていいレベルまで高まります。

夜光虫の時期のナイトゲームは「光を釣れ。

これが定番のクリティカルパターンです。

 

 

 

クリティカル3:静謐

ここまで読んだ方で釣れる気になっている人、考えが甘いです。

この釣りも流行と言われてかなりの年月が経つようになりました。

王道も定番もそれなりの月日を経験した人にとっては当たり前のパターンとなっています。

せっかくポイントを見つけても先行者がいたり、すでに叩かれた後だったりと、なかなか思うようにいきません。

上に書いた2つのパターンが通じない状況やポイントで夜光虫がどうしても目立ってしまう時、そこでこれから書く次の3つのパターンを駆使することが重要となってきます。

その一つ目が静謐。とにかく静かに水を動かさずに釣るのです。

 

そのコツはルアーセレクトにあります。

リトリーブ時にテールを振らないアクションをするルアーを使用するだけでいいのです。

そのようなルアーのほとんどがリップレスタイプのプラグです。

 

リップレスタイプでタイトローリングアクションのプラグ。これらを限りなく遅く引くこと。

これが静謐のパターンを効率的に醸し出すコツと言えるでしょう。

サイズは7〜9センチ前後が向いています。

これ以上大きいとマッチザベイトから外れるのかバイトが極端に少なくなります。

このタイプのプラグには邪道のヤルキスティックとスーサンが抜群に向いていると思います。他にはアイマのサスケなどもいいでしょう。

 

こういったルアーをなるべくスローにただ巻きするのがコツです。

決してアクションを入れないようにしましょう。

また、リーダーも光ってしまいやすくなるので、細めの16ポンドぐらいにするといいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

クリティカル4:逆光

静謐のパターンはじっくりの釣りですが、もう一つ上乗せしたいパターン。

それは逆光のパターンです。

それほど明るくないポイントでルアーの青白い光跡がどうしても見える場合、あえて本来タブーである光を背負うということをやってみます。

プラグは水面系もしくは水面直下のものを選ぶといいでしょう。こちらもスーサンがオススメです。

シーバスから見た視界をイメージした場合、ルアーを追っかけて後方から追っかけてきたとき、ルアーの向こう側に水上に輝く光があると逆光となってルアーの周りの夜光虫がほとんど見えなくなります。そのせいか簡単にバイトしてくるのです。

しかし、これが難しいです。光を背負うということはアングラーの動きもシーバスに見えやすく、上体を揺らすだけでシーバスは反転していってしまうことが多いですし、そもそもそのような条件になるポイント探し、立ち位置の決定やリトリーブコースの選定も難しいです。

あの反転の嵐が、嵐のような入れ食いになるというはまれば最強、はまらなければ最悪という諸刃の剣的なパターンであることは間違いありません。

近年はこのパターンで魚を釣ることが多いのですが、この概念は潮が澄みすぎて魚がどうも追ってくるだけでバイトしてこない時でも有効なことが判明しています。

釣るときは膝をつくか、腰を据えてしまって、極力動かないように。体の前にリールを巻く手を持っていき、シルエットとして魚からほとんど動かない杭のような存在となるように釣りをしましょう。

 

 

クリティカル5:未知

メガバスのマーゲイSWというルアーがあります。

シャッドタイプで足下に潜むシーバスに対してアプローチするためのプラグですが、5年ほど前から夜光虫が大発生している時に超強力に効くパターンがあるので紹介しましょう。

有効的なのは次の場合に限られます。

桟橋や台船など、足下からシーバスがヒットしてくるポイント、抜き上げ時にシーバスが見切って反転していく様が見える場合。そしてポイント全体に光が無く暗いこと。

この条件が揃っていれば極めて強いストロングパターンになります。

そのやり方とはチャッチャ巻きと呼ばれるメソッドです。

マーゲイをキャストしたらしばらくリトリーブして潜らせてからマーゲイをステイさせます。

もちろん海の中なのでステイと言ってもゆっくりとマーゲイは潮に流されながら沈下していきます。

5〜10秒待ってチャッとトゥイッチを一発。

水中でマーゲイがチャッと鳴るのを確認するように鋭く短く行います。

ラインを一瞬で鋭く張って、鋭くまたたるませるのです。

慣れるまでは昼間に練習するといいでしょう。

上にエビが跳ね上がるように、しかも一度裏側を見せるぐらいひっくり返ったアクションができるようになりましょう。

その様は見た感じはエビそのもの。

そしてそのまま5〜10秒ほど待ったらまたチャッとトゥイッチを入れます。その繰り返しです。

コツはなるべくルアーの横方向の移動を少なくすること。 ひたすら足下で上に跳ね上がって沈下する。

それをシーバスに見せ続けるのです。この繰り返し。ワンキャストに5分近くかけることになります。

「ほんとかよ!」

そう思う人が多いと思うけどウソでもないホントの話です。

突然、自分は何もしていないのにマーゲイがチャッと鳴ります。それがバイト。笑っちゃいます。

すかさずアワセを入れればヒットするでしょう。

魚がいると信じられなければとうていできないじれったいメソッドなので暗闇で反転の嵐を食らっている場合に使うといいでしょう。

騙されたと思ってやってみて。

他に夜光虫すら消える真夏の高水温時にも非常に有効です。

 

 

また、邪道のヤルキスティックを使った攻略法も最近判明しています。

魚がいると思われるところに、ヤルキスティックを放り込み、一度ボトムまで沈めます。

そこから縦ジャークで誘ってきます。

やり方は簡単、ほうきで掃く動作の様にすぅ〜う!っとロッドを上にしゃくります。

少しずつ加速していく感じです。

終わったらすぐにラインスラッグを巻き取り、またティップを下げて次のアクションを行います。

 

 

 

これも一度コツがわかればあっという間にお得意パターンにできますが、バイトがないとなかなかものにできないメソッドです。

一通りやってみて、最後までダメだった場合にやってみたらいいでしょう。

何回かやるうちに、きっと「あっこの感じだ!」ってのがつかめると思います。

 

 

 

 

 




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