バーベキューなど釣り以外の遊び

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- Stage3 - ~ 海の幸界のワントップ ~

 

 

いよいよワールドカップが開幕した。

何だろう。

ずっと他人事のように思えていたが、いざ始まるとやはり日本でこれだけの規模のイベントが行われるのだと少し興奮してきた。

僕の会社は東京駅の目の前なので外人の姿もやたらに目に付いた。

おまけに会社の目の前に車を止めていたら、警官が張り紙を張っていった。

この地域はフーリガンの暴動の恐れがありますので、この付近に駐車していると壊されたり、火を付けられたりする恐れがあります。

なんだか嵐が来る予感。

 

 

ちなみに素人中の素人の意見として

日本代表は司令塔周辺の話ばかり持ち上がって、フォワードの問題の話があまり出ないようだけど、今の日本で問題なのはフォワードなのではないかと思うのだけど。

中田でも小野でも中村でも誰が代表に入るか、とかでなく、最後に決定力のあるフォワードがいないものかなと。

特に海外のチームを見ているといつも思うのだ。

 

 

そんな中で、相変わらず僕たちは尿酸値の上昇活動に余念がない。

 

6月1日。僕らの仲間うちで、2年に1回しかやらないと決まってる海鮮バーベキューを行うことになった。

集った参加人数は16人。

まずは朝集合して築地へ。

 

築地市場は場外と場内がある。

基本的に場内は一般の人は立入禁止だ。

しかし、ある程度の金額を持っていて、ビジョンがあれば一般の人でも入っていいと僕は解釈している。

そう、僕たちは一般人だが、今回はまとまった金を持ってきてる。

そして夢の島で天下を獲ろうというビジョンがあるのだ。

と、言いつつも、緊張しつつ通ぶった顔で市場へ踏み込んでいく。

 

 

 

そして買ってきた物。

海の幸で覇を競う海産物と言えば、僕の場合

伊勢エビとアワビである。

その両雄どちらが上かと聞かれたら迷いなく伊勢エビと答える。

全身の赤さ、破壊力、そして決定力が違う。

 

 

言うなれば海産物界のワントップ

 

バティストゥータみたいなもんだ

 

 

東京都中央卸売市場の白井水産のおっさんはこう言い切った。

伊勢エビを食べるならやっぱり国産よ。

ただ、兄ちゃん。金は持ってんだろうな。

という訳で、キロ12000円台もする国産物を買いまくる。

 

 


長崎・五島産の伊勢エビ。1キロ物を最大に20尾も買ってきたんだから痛快だ。

場内市場の一つのお店にあった伊勢エビを全部買ってきてしまったのだ。

 

 

 

海鮮料理の基本として、伊勢エビとアワビというツートップの片割れが出てくると、他の食材はほとんど脇役に回らざるを得ない。

他の食材は見栄え、迫力ともに色褪せてしまうのだ。

 

 

しかし、ふ~じが買ってきた食材は凄まじい自己主張をしていた。

 

それは・・・

 

大トロブロック。

その絶大な人気と国民が預ける信頼の大きさはツートップに引けを取らない。

言うなれば海産物界の司令塔

海産物界の中田英寿

しつこい?

 

その中田英寿をふ~じが捌く!

基本的に魚は素人だったふ~じだが、木屋の包丁を身にまとい、多くの食材を切り刻んできたことで

少なくとも一般人を凌駕するレベルまでは達してきたようだ。

 

 

 

さらには鮎。吉野川の天然仕上げ。

 

初夏になり、苔の香り、ウリのような香りがしてくるとアユが無性に食べたくなる。

そんなことで買ってきた。

これだけでも十分にメインを張れる食材。だが、今回はボランチに甘んじてもらう。

 

 

もう一つ。ホタテ貝。

基本的に焼き物をやる場合、殻付きの貝は貝殻そのものが鍋となり、皿となる。

その時点で野性味溢れる料理となるのでとても好きだ。

そしてオホーツク海で育ったこの特大サイズを持ってしてもこれもまたボランチ。

 

このダブルボランチに

イカの中のイカと言っていいシロイカ

明石産マダコのゆで物を両サイドに布陣し、挑んだ。

 

まずは壮絶なジャンケン大会。

特にでかいのが3匹。

全員の視線がそのエビに集中。

普通に生きていても一生一度食うか食わないかという超ビッグな伊勢エビ。

 

ふ~じは白目をむいてふ~じ汁を口から垂れ流し、

尿酸値レースの先頭を行くふくちゃんですらも、肝臓をさすりながら美味そうに貧乏揺すりを始める。

 

そして女の子はキャーキャーと両手で顔を覆いつつも指のすき間から舌なめずりをしてエビを見つめる。

 

誰もが欲しい!

 

 

友達同士といえども、食い物の恨みつらみは付き物。

そこで公平にジャンケンして海老を選ぶ。

16人は自分の運命を信じて右手を振る!

そして勝ったのはこの人たち!

 

 

 

 

 


俺は6番目、しくしく。

 

もちろん全員の分は買ってある。

しかし、いつも言うように美味いか不味いかは舌が決めることではない。

脳が感じるかどうかなのだ。

その為に勝者と敗者を決定づける。

そして勝者のみが知り得る味こそが美味しいのだ。

それこそが

網、独り占め

 

敗者はただ眺めるばかり。

勝った順番に海老を選び、捌き、焼いていく。

すでにこの時点でマリーナの利用者のギャラリーができるほど注目の的。

何とか一口あやかれないかと、輪の中に入ってくるロレックスなオヤジが巨大な伊勢エビを見て、思わず後ずさりし、マグロの大トロブロックを見て逃げ出していく。

それだけの破壊力と決定力が今日の食材にはあった。

 


間違いなく天下獲っております、この人達。

 

 

そしてようやっと10番目ぐらいの人がMy伊勢エビを愛おしそうに焼き始める時。

 

 

すでに平らげて昼寝をする勝者!


そらー酒も進んだことでしょう

 

そして未だ順番が来ないのでふて寝する敗者


ビリはエビが小さいから尿酸値を上げずにすんである意味正解だと

 

 

普通の日本人なら刺身で食えるほどの海老を焼いて食うことはしない。

しかし、今回のソースを担当した月島サエラのコウ吉さんは縦に割って焼いて食べろと言った。

片方は身から、もう片方は殻側から焼けば蒸し焼きと直火焼きの両方の味が楽しめる、と。

今回用意してもらった2つのソースを塗りながら僕らはエビにむさぼりついたのだった。

 


しかし、大トロでさえも肩身が狭そう。

 

やがて出番が回ってきたホタテやアユ、シロイカ、タコなどを焼きながら僕らはまったりと初夏の陽気を楽しんだのだった。

 

 

 

しかし、今回は何かが物足りなかった。

それが何かは解ってる。

 

飲み食いに情熱のない人間は、玉の盃底なきがごとし。

死ぬ時に本当に走馬燈があるのならば。

願わくばそのコマのほとんどを幸せな絵にしたい。

そして、そのうちの何コマかはとてつもなく旨いと思ったものであって欲しいと思ってる。

百回旨いものを食べるより、千回に一回でいいからとてつもなく旨いものを食べたい。

その為に必要なのは食べる前に何をしたかということであろう。

 

 

冬の旧江戸川でウェーディング中に流されて死にそうになったことがある。

死に神の気配を感じながらも、最後まであきらめずに流れに耐え、3時間かけてようやっと岸にたどり着き、

がたがた震える体をカーエアコンで必死に暖めて

そして暖かい物を食べようと飛び込んだ吉野家。

そこに出てきたあの熱いお茶。

 

 

そこには感動があった。

とてつもなく旨いものだったのだ。

 

 

苦労を惜しんではならない。

 

今回の料理は世界最大の魚市場の前に住む僕らだからこそ、金で解決できる食べ方なのだ。

 

伊勢エビにむさぼりついている最中、長崎の五島列島で伊勢エビを獲ってる漁師たちの姿が頭に浮かんだ。

僕たちはあなた達の努力に恥ずかしくない食べ方ができただろうか。

そんなことを考えた。

 



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