村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

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Area45 - Stage3 〜 ハロクラインに追われて 〜

2004年11月16日 旧江戸川シーバス

 

 

川にあるハロクライン。

雨が降れば河口に落ち、雨が止めば川の中へと入っていく。

この人間が目に見ることのできない境界線を完全に支配すれば、川の攻略はたやすい。

 

スズキはというと、ハロクラインの上、いわゆる淡水に近い水を好む川スズキと

ハロクラインの下の海水に近い水を好む河口スズキの2種類いる。

 

今年分かったのは、両者がその性質を行き来させることがあるということである。

海水を好んでいたシーバスが、ある日突然川スズキのライフスタイルにシフトしたり、またその逆があったり。

それが何をきっかけにしているのかは分からない。

 

 

だけど、産卵を意識したシーバスは秋が深まると共に淡水から海水へと身を慣らしていく。

シーズン終盤の川スズキ釣りは、海水を釣ると言っても過言ではないだろう。

 

 

晩秋、潮が引ききった深夜に魚の気配はほとんどいなくなる。

夕方の満潮時にあれだけ食ったシーバスが忽然と消える。

その辺の理由がこのあたりにあるのではないかと。

 

 

 

 

そして、人気のいない深夜。

引ききった海面がまた上昇を始める時間。

塩水がくさびを打つようにまた淡水域に入り出す。

それは雨後の時間が経っていればいるほど早い。

まとまった雨が降っては2日晴れてまたまとまった雨が降るという形での週明け。

なかなか河口から真水が切れない中での出撃のタイミングがやってきた。

会社から帰り、3時間の仮眠を取って、河口域に入る。

 

 

 

 

確信があった。

シーバスは待っていられないはずなのだ。

これから始まる壮絶で過酷な産卵の旅を控えた彼らにとって、体力を作るのはその成否の鍵を握る重要事項。

そのために彼らは何が何でもたくさん食べなければならないのである。

 

 

 

その淡水層を最初に海水が切り開いていくのは、流心から最初のブレイク。

旧江戸ならセカンドブレイクがそれにあたる。

はっきり言って岸からむちゃくちゃ遠い。

命がけで深々と立ち込んで、風神とシーバスPEとレアフォースの飛距離でようやく届く世界。

 

だけど、そこに次々とシーバスがなだれ込んでくる。

その気配はベイトが教えてくれる。

 

 

今日は70センチ級のラッシュパターン。

 

 

 

 

でもこういう日は超弩級はこない。

ボートではそのうちに出ることもあるのだろうけど、陸っぱりではあまりない。

 

 

だけど時合は短い。移動する時間がない以上、可能性を信じて、あきらめずに撃ち続けるのである。

シーバスはボトムラインからするすると入り込んでくる。

だからといって、プラグをボトムに沈める訳ではない。

シーバスは水面を意識している。

淡水のベイトフィッシュを入り込む海水に乗じて狙っているのだ。

今年秋のセミナーでやったハロクライン攻略の応用編。

この場合は説明した時と逆。

真水のベイト、海水のスズキ。スズキの存在を隠すのがハロクラインである。

 

 

水面で何も気づかないベイトのふり、要するにただ流してさえいれば突如水面が爆発する。

 

 

 

 

この日の最大、74cm。

 

 

 

この日は全てアロウズレアフォースでの釣果。

実はこのパターン、カラーもルアーもない。

レアフォースでなければという理由はまるで無いのだ。

と書くとアロウズの社長に怒られるのだが、怒られようとなんだろうと、それは紛れもなく事実。

 

 

 

ただ、釣りをするという点において、釣りやすいルアーとそうでないルアーはある。

ポイントまで飛ばないルアーは論外としても、届く中でどれだけのパフォーマンスをプラグが発揮してくれるかはまるで違う。

70mも遠くから重みのある引き抵抗と共にルアーの状態を伝えてくれるという点においてレアフォース以上のルアーを僕は知らない。

 

 

 

だからローテーションなんていらないのである。

しかし、はるか遠くの水面を凝視しながら、デッドスローリトリーブを続けているととにかく眠くなる。

何度か、いつしか寝てしまって膝から落ちてこけそうになる。

 

 

眠いときはローテーション。ルアーは変えずにカラーだけ変える。

変えたからヒットということはない。

魚が回ってくればヒットする。

波状攻撃のように彼らは次から次へとやってくる。

 


背骨が曲がったシーバス。傷跡から見て若い頃にスクリューでやられたんだろう。 それでもよく60UPまで生きた。

 

 

 

超弩級はこの中にはいない。

来るときはもっとビリビリする気配があるのである。

それが川の食物連鎖の頂点に位置するスズキという魚のオーラである。

まるで神が降臨したかのように海の中が凛と張るのである。

 

 

 

その気配が出るのを待ちながら撃ち続ける。

肩も痛くなってくるし、とにかく腰が痛い。ビリビリと痺れを伴うように痛む。

しばらくバイトがなく、我慢するのをやめて陸に上がろうかと迷う頃に、バイトが出る。

そのバイトが出た後はまた渾身の力を込めて遠投する。

 

 

しかし、ずっと70センチ前後ばかりである。

 

 

群れが居座っているわけではない。あっという間に彼らは川を駆け下る。

それでも次から次へと回遊してくる。

 

 

 

97年にセイゴの孵化がすごくうまくいって大量にセイゴが生まれた。

その時に彼らを守ればずっと楽しい釣りが、もっと楽しい釣りができるようになるとあちこちに書いた。

それが願いかなって現実となっている。来年は80upがかなり出る年になるだろう。

そして2〜3年後は夢の東京メーターupも夢ではないのだ。

 

 

だけど、ここ数年のブームのせいか、彼らはスレてイージーに釣れない。

答えはシンプルだが、人のプレッシャーが答えを見づらくさせている。

飛距離、アキュラシー、アクション、カラー、そして状況。

一日と同じ条件が無い中で、確実に答えに近いところをアングラーはプレゼンテーションしなければならない。

 

 

 

 

 

これだけ釣ってよく言うよ、と言われるだろうけど、今日は敗北なのである。

ミスはポイント選定。

超弩級は違う場所だ。

 

 

使用タックル
ロッド アピア 風神ゼータ93Lフローハント
リール ダイワ セルテート3000
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ アロウズ レアフォース
ゴミ CDケース

 

 



 

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