村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

トップへ戻る area
 
Area
2006年
2005年
2004年
2003年
2002年
2001年
2000年
 
Area番号

トップへ戻る >>> Area -村岡昌憲の釣行記->>>釣行記

Area45 - Stage1 〜 マンメイドシチュエーション 〜

2003年8月13日 港湾部シーバス

 

 

 

 

なんだか無性にイライラして衝動的に釣りに出かけた。

最近の自分の姿勢や物の考え方に腹が立った。

慢心。

そう、慢心していた。

いや、寸前だった。

 

頭をぶん殴られた様な衝撃だった。

もともとそんなに強烈な上昇志向が無いからなのかもしれない。

今の立場に、今の状況に、今の収入に満足していた。

 

だけど、それがどんなもんなのか。いや、なんぼのもんなのか。

そんなんで満足してどうすんの?

それを強烈に投げかけられて僕は一言も出なかった。

世に多くの事柄あれど、その一つ、たった一つでもやり遂げる。

いわゆる万人が認めるほど突き抜けた世界まで到達しうる人は本当に少ない。

 

その一つをライブという形で目の前で見せつけられた。

知らない曲、知らないシャウト、知らない振り付け。

だけど、そこにいるだけで鳥肌が立ちまくる。

その姿は最高に格好良くて、そして感動的だった。

最後の最後、大勢のファンが泣き叫び、いつまでも会場を後にしない姿を眺めて、

僕は友人の遺した後の、その過程の道のりの壮絶さ、ほとばしった情熱の余熱、

光跡のその輝かしさに胸がかきむしられる思いだった。

 

 

 

もちろん、僕のやってることは全く違う。

東京シーバスネットを読んだ人に泣き叫ばれてもそれは困る。

 

 

僕の好きなこの釣り、一生かけてでも突き抜けていこうというこのシーバスフィッシング。

伝えたいのはスズキ釣りの楽しさ、そして感動。

ゴールがないと解っていても、いや解っているからこそこの面白い釣りの究極を目指して僕はやってきたのではないか。

 

同じなのは感動だ。最近の自分には感動がない。感動がないところに共感など無い。

自分の求めた楽しさの形が多くの道具となって発売されていく近年、そこに感動や共感がなければ僕はその道具を買って欲しくない。

メーカーはそりゃ売れればいいだろうが、僕は僕のこの釣りの、このスタイルに感動し共感してくれた人だけ買ってくれればいいと思ってる。

その張本人がこのていたらくである。

 

 

 

ライブの後の打ち上げが終わり、家に帰ったのは11時近かった。

外はかなりの雨。

雨でもいい。泥臭い釣りをしよう。

そう思った。

 

 

タックルはロクテンにステラ2500番、シーバスPE。

ガッチガチの究極ヘビカバスタイル。

感度最優先、掛かってからのことはテクニックでどうにかする。

このスタイルをあえて選んだ。

 

 

場所は川の水が大半を占める運河内に雨水がポンプによって大量に吐き出されてくる某工場裏。

言うなれば、雨の最中に雨後のパターンができあがるマンメイドシチュエーション。

ずっと前から、僕の雨はここだった。来るのは2年ぶりである。ずいぶんとサボっていたもんだ。

ポイントには台船が係留されていた。

一昨年来た時は無かったので少しビックリしたがかえってポイントとしては良くなった。

 

 

 

伝家の宝刀、ハチマルをセットする。

風は北風、やや東寄り。

釣れないだろう方向にキャストして、潮の流れを確認する。

潮は右から左。上げ潮の時間なのに逆の向きに潮が流れている。

東京湾奥の運河はクモの巣の様になっているからこういうこともままある。

というか、こういう時こそチャンス。

 

 

直径50cmほどの杭が乱立している。

そこの流れが当たっている側にハチマルをキャストする。

ラインスラッグをコントロールして杭の横50cm以内をスローリトリーブで通す。

 

1本目空振り。

 

2本目空振り。

 

3本目空振り。

 

 

あれま、いないのか。

もう一度一本目に戻ってハチマルをキャストする。

10mほど先にキャストしてからデッドスローで引く。

狙う水深は2mラインだ。

 

 

・・・

 

 

出ない。

いないのか?

移動するか?

両手を腰に当てて立ち上がる。

 

一瞬だった。

見逃していたら今日の釣りは終わっていた。

1本目の杭の真横。水面にわずかなもじり。

ボラではなかった。間違いなくシーバスの反転でできるあの独特のもじり。

 

体が勝手にキャストする。

杭の先1mぐらいめがけてキャストし、着水と同時にベイルを返し、ラインスラッグを取る。

そのままロッドを立てたままスローリトリーブ、するやいなやのうちにガツンと衝撃が来る。

ハチマルのレンジは20cm程度だっただろう。

ティップが入るのを待ってからアワセを一発シャープに入れる。

 

 

体が慣れてない。あっさりと身切れでバラシ。

でも魚がいた。パターンが見えた。

またキャストする。

水深20cmをまた通す。

コン、コンとシーバスのバイトが連続する。

コンのバイトが出たあと、一瞬の間をおいてリトリーブを止める。

ぐうっと押さえ込む様なバイト。

そのままリールを巻き上げるようにファイト開始、魚が走りだしてから追いアワセを入れる。

なかなかいいサイズ。

久々のロクテン&PEのコンビなので楽しい。魚の挙動、怒りまでも全てが伝わってくる。

楽しみながらも獲りに行く。

 

 


コンディション抜群。計ったら意外と長く60cmちょうど。

 

 

パターン完全掌握。

 

迷わずX-110SWに変える。

ワンテンを弾丸ライナー上で杭めがけてキャスト。

杭の先、1mぐらいに落としてそのままデッドスロー。

水深20cm位だ。

そこからは入れ食いになった。

 

 


これまた文句なしの銀ピカ50後半。運河内だけど魚は普段は川にいる個体。

 

 

 


こいつがアベレージだった。

 

 

一時、どしゃ降りになる。

情熱がとんでもなく集中力を高めていく。

ここから先はプロとして申し訳ないが、言葉にはしづらい。

キモはレンジと一瞬の間。

スタイルの未必の故意メソッドだ。

もちろん通常のリトリーブでそれをやる。

 


カメラが壊れる寸前

 

 


小さいサイズまで上がり出すと、そのポイントは終わりに近づいたと思っていい

 

ひたすらワンテンをキャストし続けた。

途中、ハチマルやリップレスベイト、ローリングベイトに変えてみたがバイトが出せない。

完全にワンテンのデッドスローパターンがどはまりした。

 

 

 

 


ピンぼけしちゃったけど、こいつは真っ黒な魚体だった。運河の魚。

 

この時点で15HITほどしたが、7本しか獲ることができなかった。

(1本はエラに少し血がにじんでいたのでそのままリリース。)

 

相当ヘタになっている。

体も頭もファイト中に何をすればいいのか解っている。

でも7ft近くあるこのロッド、そのセミダブルハンドグリップを支える腕力がないのだ。

どうしても竿がのされ、その瞬間に身切れする。

 

確かに杭の乱立しているこのエリアでロッドを曲げてファイトしている場合ではない。

まずは杭から引きはがすパワー。これが絶対条件だ。

それでも5年前の僕だったら・・・と思うと悔しくて涙が出そうだった。

 

だったらどこまで行けるか?

タイムリミットは夜明けまで。

 

明日の会社はもういいや(笑)

雨も小降りになった中、大爆釣モードにはめ込む。

 

 

満潮が近づくにつれ、ますます水面直下しか反応しなくなった。

 

 

 

 

出なくなったところは、今度はリップレスベイトFSのデッドスローで通すと何度かバイトが出る。

サイズは上がらなかった。


別に不満だとか、偉そうにしてるわけではないす。

 

 


やっぱりサイズが上がりませんでした。

 

釣りまくった3時間だった。

大型! と、いうバイトは一度も無かった。

いたのかいなかったのかは解らない。

 

 

バイト数は60近かった。

そのうちのヒットが30ぐらい。

そして獲れたのは12本。

これが今の自分の力なのだ。

魚を探し、掛ける力は衰えてない。

 

もう一度鍛え直すしかないだろう。

何度でも立ち上がる覚悟で。

でなければ来年一番の目標達成はおぼつかない。

 

 

帰りにワンダーのパッケージを拾った。

釣り人のゴミってほんと悲しくなるよな。

 

 

 

使用タックル
ロッド メガバス F3-610XS
リール シマノ ステラ2500AR
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ メガバス X-110SW
メガバス X-80SW
   

 




トップへ戻る >>> Area -村岡昌憲の釣行記->>>釣行記

 

©Copyright 1997-2006 Tokyo-Seabass-Net.All Rights Reserved.