村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

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Area2 - Stage4 〜 8時間40分の下げ潮 〜

2001年10月24日 荒川シーバス

 

 

 

今日は僕の誕生日だった。家でご飯を食べて日本シリーズを見る。

相変わらず古田のリードにいてまえ打線は自分たちのバッティングを全くさせてもらえない。

磯部なんて迷いがありありで見ていられないぐらいだ。

ほとんど全員が初めて日本シリーズを経験する近鉄ナインでは仕方がないのか。

ヤクルトのそつない戦いぶりに何となく敗戦を予感。

明日は神宮で観戦だというのにヤクルトの胴上げを見に行くことになりそうな気がした。

 

 

試合が終わって一息つく。ELEGYでも書いていた通り、今はとにかく忙しい。

名古屋出張で絶好の大潮周りを逃したのはあまりにも痛かった。

僕はまだ湾奥ランカーを確信を持って獲ることができるのは、大潮の大下げの時だけなのだ。小潮の時に出ていってもそう簡単には魚が出ないだろう。あくまで大潮周りの大下げ、その時に出現するパターンなのだ。

 

 

が、この忙しさは当分続く訳で大潮周りでないと、良いサイズの魚が出せないってんじゃ、先が思いやられる。

今日は寒くないことだし、せっかくだから小潮周りの下げ潮でもやってみようかということにした。

それに今日の下げ潮は満潮20:35から干潮5:05まで、実に8時間40分もの時間下げ潮が続くのだ。

ボートだとこういう時の爆釣経験が多いので、もしかしたらチャンスはある。

 

近鉄のふがいなさのイライラを吹き飛ばす釣りをしよう。

実に1ヶ月ぶりのAreaはそんな感じで突如始まることになった。

 

 

22時に「Dr.baffy」に入る。

ポイントにつくとまだ潮位がずいぶんと高い。ここからダラダラと引いていくのか。それでも干潮の潮位が60センチぐらいとたいして引かない。相当トロリと下げが効くのであろう。

 

まずは魚に影響が出ない場所で川の水をチェックする。水温がずいぶんと下がったようだ。濁りはササ濁り。

名古屋にいる間も東京の雨をチェックしていたが、やはり先週の前半に降った雨が一つの要素を作っているような感じだ。

水温が下がって、ササ濁り。そんな状況は8月や9月だけでなく、10月でも歓迎できる。

川の水は絶好だ。後は潮の動きを読み切って魚の着く場所を想定できればいい。

 

あ、そうそう。ちなみに最近僕らの仲間内で大流行のチューニングがある。

何をいじるかって言うとライト。

市販されている釣り用のライトってなぜか暗い。東京湾奥だけでなくライトなしでは歩けないような地方に行った時には、光の重要さをとにかく思い知らされる。

これがそう。

発光部分に白色LEDを使っている。この青白さ。車のH・I・Dみたいでとにかくカッコイイ。

川の濁りを見る時にこの光りの色だと自然な色合いで見るにも役に立つ。反射鏡の光りムラがないのでラインシステムなども組みやすい。

何より、明るい灯火を持っている絶対的な安心感。

東京湾もそうだけど、真っ暗なフィールドでは超便利だ。

もちろん、明るいだけに点灯のTPOを間違えると隣のやつににらまれることもあるだろう。

 

 

 

ここは本来、冬の東京にあまり吹かない風向きの時用に開拓したポイントだ。

現在の僕は風向きからゲームを組み立てるので、いつもお手上げになる風向きの時に粘るべきポイントを開拓する必要があったのだ。

で、今日はほとんど風がない。非常に弱々しく北風が吹いているのでこういう時もいいかなと思って「Dr.baffy」を選んでみた。

まずは、しずしずと入っていく。なんか違和感を感じてここで気付いた。

しまった。ライフベストを忘れてしまった。これではディープウェーディングは不可能だ。(可能なんだけど万が一を考えるとね。)

 

そこで浅い場所から遠投して狙うことにする。

最初の杭をチェック。

シャローの上にある杭の辺りにはほとんど流れがない。

その杭の上流側にルアーを通す。まずはシープ115。が、出ない。

次にアイマを投げてみる。でもダメ。しかし、魚の気配をフッと感じたような気がした。

そこでX-80SWを投げ込んでみる。

水深は60センチぐらいしかない。普通にやるとあっという間に底を擦ってしまうので、杭のショルダーに投げ込んでジャークを一発。また一発。ここで食わなければ後はゴリゴリと底を擦りながら回収する。

2投目、やっぱりいた。食った。

50センチぐらい。やはりこの流れではこのサイズしか付かないのか。

ふと考え込む。

 

その後、数ヵ所の沈みオダなどを叩くものの、30センチが1本のみ。

まあこの日に何かを期待するだけ無駄だったのかな。

そんな思いになっていた。

しかし、大型だって流れの遅い日は餌を食わないなんて事はあり得ない。どこかできっと食っているのだろうけど、それがどこなのか全く見当も付かない。

 

最後のここを叩いて帰ろうと思った場所にしずしずと歩いている時だった。

突然、川面を風が駆け抜けた。

鏡のようだった水面が一気にざわつき始める。

北風が強くなってきた。

 

僕は思考回路を巡らせた。このポイントで粘るべきか、移動するべきか。

普段なら潮の時合は一瞬だ。移動する間もなく潮は引いていくけど、今日は下げ潮が長い。

もう一度ゲームを組み立て直す。

そう決めて、ウェーダーを履いたまま車に飛び乗った。(初体験でした)

 

しばし、カーナビの地図を見て場所を思案する。BAWにするか、それとも・・・。

僕が車を走らせたのは「Small Pine」

ここは訳せばすぐに解るだろう。(笑)

エリアは解っても通い込まないと魚が釣れる場所は解らない。

 

大急ぎでポイントに入る。

なぜだか、大きなダンプ用のタイヤが沈んでいる場所がある。

そこにK-TEN・M178を投げ込む。

色々と思案して今回から新たなラインナップにくわえたルアーだ。

ジャーキングを主体とする僕の釣りで、大きなプラグでいい動きをするプラグを探していた。

決していいダートをするわけではないんだけど、そこそこの引き重りの無さと遠投性で色々な勝負がしやすくなる。

要するにX-80SWのジャーキングを大きなルアーでやるならこれが今のところベストに近い。

一番デカイ18センチはサウスエンドまで行ってわざわざ買い込んできた。

 

 

ポイントに付くと相変わらず川面を北風が駆け抜けている。

決して強いわけではないけど無風に近い状態から一転して7m/秒ぐらいの風。

魚が動く時はこういう時だ。

 

Mをストラクチャーのショルダーに投げてドルルッとジャークして抜く。

2投目。(なんか僕っていつも2投目なんだよな。厚い壁だ)

 

タイヤの上を撫でたMに大きな衝撃。少し送り込んでリールの逆転にややびびりながらアワせを入れる。

乗った。ボフッと水面で一瞬エラ洗いを見せかけた魚は70くらいか。

流れがいつもより弱いのであっさり寄ってくる。ドラグを緩めにして少し走らせてからじりじりと距離を縮めてハンドランディング。

よっしゃ!!

 

サイズは測ってないんだけど目ジャーで70センチってとこかな。

そのままリリースして、次を狙う。

魚がやる気あるならここで粘るのも良かろう。

そのまま投げ続けてみる。

 

普段の大潮なんかだと、ここと決めた場所で粘って1時間もやると必ずランカーと遭遇する。いや、しているはず。

それを僕を始め、ほとんどのアングラーが食わせきれないだけだと思っている。

潮の動きが速い分、彼らの動きも早い。その1時間できっちりと仕留めないとその日はもうダメって感じである。

逆にその1時間の間、集中してルアーを見させないジャーキングアクション主体で攻めればかなりの確率でランカーのバイトを得られる。

 

ところが今日みたいに下げ潮がダラダラと続く日は、逆にいつ来るか全く解らないのだ。

それだけに集中力が勝負。ここはだらっとせずに気を引き締めてやることにした。

そんで、嫌になってきたら上がると決めた。

 

 

20分ほどして、もう一度Mにバイト。

ガッツンと向こうアワせで食ったのでそのまま竿を曲げてテンションでアワせを入れるだけにする。

先ほどの重さではない。じりじりと寄せて一気にランディング。

 

50後半。

 

緊張感の持続のつなぎ役としては面白いが、このサイズがいるようではやはりダメなのか。

でも、こういう日はダラダラと潮が引くわけだから、魚の入れ替わりもダラダラと行われるのではないだろうか。

そんなことを考えながらまた川面に立つ。

 

 

いい気分だ。高速道路を必死に走る大型トラック。

「おー、仕事してんな。」

目の回るような激務が翌日からも続くけど、この一瞬だけは遊んでいる側の人間に回れた。

大都会東京の23区。半径700mにはきっと僕とホームレスの人、数人しかいない。

 

スズキって本当に楽しい。そして極めて貴重な魚なんだ。

こんなに身近で大きくて暴れん坊で、何よりゲーム性が高い。

ゲーム性を見いださなくても釣れるのが少々不満だが、ゲーム性を持って挑めば違う魚がしっかりと答えを返してくれる。

一生、理解できないことは解っているけどどこまで近づけるか。

想像と現実のギャップをどこまで埋められるか。

 

 

 

それと同じように、ルアーのデッドスローリトリーブってもんをほとんどしなくなった僕は、非常に激しくルアーを動かす人になり、その中に静止や減速、加速、蛇行、転回、あらゆる動きの変化を持ってプラグを動かすことで、ある程度の型に恵まれるようになった。

魚の反応もより多く取れるような気もしている。

しかし、TSSTみたいな50人とかでやるハイプレッシャーの状況下ではワームのデッドスローとかとにかくスローな釣りが強い。僕は自分の釣りを押し通そうとすると必ずノーフィッシュになる。

難しい。まだまだ答えが見えないことがいっぱいある。

 

 

そんな事を考えてながら、ダラダラとやっていた。(すでに集中力が無いぞってことで)

1時間は経っていたかもしれない。

タイヤから少し離れた所にある杭。

20分前ぐらいから投げ続けていたMAPS!が杭の辺りを通ったんではないかと。(プラグなんかも全く見ていなかった)

その時に突然水柱が。

ブワッシャーン!!!!!

 

うわわっ!

思わず情けない声を出してアワせを入れる。

グンと首を1回振ってから走り出した。

こりゃいいサイズだ。夢から覚めたような感じでファイトに突入する。

 

サーフスターで目一杯ためてロッドの反発力を最大限に絞り出す。

ロッドはほとんどUの字。そこからテンションを緩めずにポンピングで寄せる。

 

下流の方に歩きながら少しずつ距離を縮めていく。

一度は一気に距離が縮まったが、向こうもドラグから糸を引きずり出して、上流側に走っていくのでここは真後ろからテンションを掛けて走らせる。

このテクニック。少しバレやすいが、一気に魚をバテさせるのには効果的だ。体ズレもするけど、リーダーが太ければまず安心。

基本とされている魚の頭方向にテンションを持っていく方法は確かに最もバレにくいのだが、魚にとってもバテにくいファイト方法だ。

基本に忠実にファイトして、そんで陸の上に上げて暴れさせてる人をよく見るけど、まあ一度お試しあれ。

但し、リーダーは必ず付けること。

 

 

案の定、10m走ったところで水面にフッと浮いた。

一気に距離を縮めてランディング。

 

うっしゃ!!

 

一応、これはしっかりと測っておきましょうって事で83センチでした。一応、ランカーですか。

 

 

MAPS!湾奥仕様。いい仕事してくれました。

 

これをリリースして、なんだかもっと大きいのも出るような気がしたんだけど、その後1時間ノーバイト。

いい加減手首も疲れたので終わりとした。

 

今回、思ったこと。

ちょっと夢想の中で釣ってしまった感があったけど、決して大潮の時でないと大型が出せないって事はない。

冬までしばらく続く、このロングな下げ潮タイム。

サラリーマン釣行タイムともあってていい。

 

なんかせっぱ詰まった状況だったけど、時間があったらその時のベストを尽くせばいい魚は出るんだ。

そんな気になれた釣行だった。

 

 

 

 

使用タックル
ロッド Palms SGP-86L
リール シマノ ステラ4000 DH
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ K-TEN M178
MAPS!! WANOKU
   

 

 




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