村岡昌憲の釣行記。東京湾のシーバスからその他節操無く色々と。

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Area2 - Stage1 〜 荒川真っ向勝負 〜

2001年2月28日 荒川シーバス

 

 

 

 

ランカーを狙って獲るというアングラーにとって夢のような話がある。

昨年、旧江戸川河口ではっきりと見えた世界があった。その世界。言葉にするのは難しいが、AREA3を通して読めばなんとなく解るだろう。その世界をこの春に新たな展開で広げていきたい。そう、冬の間にずっと考えていた。

そして春がきた。待ちに待った桜の開花。ずっと三番瀬で大型の回遊を待っていた。三番瀬、とてつもなく広いフィールドだが、アングラーが攻めることのできるポイントは実に少ない。その少ない中でランカーが回遊するミオ筋はわずか。その一つ。通称、「貝殻」で2月26日、82センチ。

それを確認してからいよいよAREA2を始めることにした。AREA2の舞台は荒川。

なぜ旧江戸川でなく、荒川なのか。それは東京湾で最もフトコロの広い川だからだ。川の懐が深ければ深いほど多くのベイトフィッシュを蓄える。堰までの流域面積もそうだが、栄養分や大雨時に小魚や稚魚を守る環境が豊富という意味での懐でもあるのだ。

以前は荒川のような放水路はフトコロが広くても流れが速すぎる上に護岸のため、ベイトフィッシュが育つ環境がないと考えていた。夏に台風で大雨が降るとせっかく育ってきたハゼや淡水魚がほとんど流されてしまう。小魚が隠れる岸際や葦がないのだ。

それで多摩川や江戸川ばかりがタンカーの宝庫となっていた印象がある。自然を残した岸際と護岸された岸際ではベイトフィッシュの生存確率が全く違うのだ。

ところが98年の夏の洪水で荒川の下流域には広大なシャローが次々と誕生した。河川のカーブの内側には非常にヘドリーだが、浅くて広いシャローが続くようになった。そういったシャローができることで大雨の流れにも負けずに小魚が生存できる環境が整ったと言えよう。

そしてそういったシャローにこそ、ランカーが回遊してくるようになる。

シャローが無ければランカーを狙って獲ることはできない。それだけでランカーが出るものでも決してないが、人間がどうすることもできない地形的な条件を満たしたのだ。

あとはランカーが回遊する季節に条件が揃えばそのシャローに魚が入ってくるはず。

もう一つ。ずっと前から思っていたこと。

荒川河口部で3月後半と11月にあれほど90upの話が聞かれるのに、なぜその間のシーズンがないのか。というより、富津〜木更津〜養老川〜三番瀬〜三枚洲と来た大型スズキは3月後半に荒川河口で釣れた後、どこに消えるのか。そして多摩川や旧江戸川ばかりがウェーディングポイントとしてクローズアップされるのに、なぜ荒川はランカーの報告が少ないのか。

その答えはすでに出ていたのだ。荒川の中に入っている魚がいる。

しかし、荒川中流域の魚というと今まではなかなか釣れるものではないという認識があった。多くの釣果情報は秋ヶ瀬の堰か、水門周りに集中し、その他の情報は皆無に近かった。

しかし、昨年からそこにこそ狙い目があると考えた。

今考えれば解る話だが、そういった堰や水門で70センチがアベレージで釣れるのだったら、その横にシャローがあればそれ以上のサイズが回遊するはずなのだ。もちろんそんな簡単に出るもんではないだろうが。

1月の大潮周りのど干潮。クソ寒い中、竿も持たずにひたすら中流域のシャローを調べ回った。その結果、いくつもあるシャローのうち、3つほど見込みを見いだせるシャローがあった。旧江戸川を連想させる様々な要素が重なり合い、交差している場所。

そしてそういったシャローの常としてヘドロが硬いのだ。これも旧江戸と同じ。逆に言うとヌタヌタの場所はシーバスが回遊することはあっても止める要素は少ないと考えている。

その一つ。赤羽周辺のシャローへと立ち込んだ。

最初に結果を書くと、この日はノーバイトだった。まだ季節が早いのか、それとも時合やアプローチがまずいのか。潮が引ききるまで待って点在する根やブレイクの位置を再確認する。

帰り際にもう一つ堀切周辺のシャローもチェックした。ここは岸際に湿地帯がたくさんあって相当な数のエビやカニが生息しているはず。雨が絡めば面白そうだ。雨の後はここに行くといいのでなないだろうか。

雨が降ったら次はここにしようと、決めて終わりとした。

春のランカー攻略。今後どうなっていくか判らないが、今年の荒川中流部、期待したい。

 

 


日時  3月30日
ターゲット シーバス
ポイント

荒川中流部

満足度 ★★★★★

 

今日の予定はルアーフィッシング情報の取材日。関東一円で何釣ってもいいのだが、あまり芳しい情報は入っていない。横浜のメバルってのも少し寂しいし、千葉方面のウェーディングでも行こうかと考えていたところ、やっとこさ待望の雨が降った。

 そこで雨上がりの初日ということで、迷うことなく荒川のシャローに向かった。

しかし、春から冬へと逆行したぐらい猛烈に肌寒い。川の水温は2度ほど低下しただろうが、おそらく水温の低下とか雨の濁りとか、彼らには関係ないと考えていた。

去年の秋から僕はそういったサブファクターを形成するデータを全く無視することにした。

その事は今出ているシーマガにも書いたが、データフィッシングはあくまでデータでデータ以上の釣果を導き出すことはないのだ。釣果を左右するのは常にアングラーの柔軟さ、引き出しの多彩さ、そして最後はフィールドを見る目である。こじつけようとすればするほど盲目的になって釣れなくなるアングラーがなんと多いことか。僕もその一人だったが、全てはT.S.S.T.葛西戦のMAPS!の釣果。AREA3の始まりから180度と言っていいくらいに自分の視野が変わった。

その柔軟な視野とそれまで持っていた膨大な引き出しやパターンを上手に生かす僕が今ある。

シーバスは本当に強い魚だ。水温が下がったから食わないとか、濁りを嫌って食わないとかそういうことはほとんど無いと考えるようになった。水温が下がることで前のパターンで食わなくなることは往々にして良くある。しかし、それは単にアングラーが前のパターンを引きずっているから釣れないだけで、パターンの変化を見極めることができればちゃんと釣果はあげられるのだ。

水温を測ってしまうとアングラーはどうしても理由を持ってしまう。ベテランともなれば計らなくても水温が下がったのは想像つくだろう。その想像だけでゲームを組み立てた方がよっぽど確実に釣果を得られるのだ。

その理由をわざわざ自分から持つことはしなくなった。

話を戻そう。(というか最初からずれてたが)

湾奥はフッコばかりでみんな四苦八苦している。フッコが異常に多いのは確かなこと。ルアーニューにもさんざん書いているけど、この3歳魚。5年後には70センチを超えてくる。95年の春に同じように湾奥中にフッコがあふれた年があった。彼らが70〜80センチ級となって昨年の大型ラッシュを引き起こした。だから、40センチであろうと大事にすべし。

3歳魚にもなると東京湾において彼らの天敵はいなくなったと言っても過言ではない。唯一の天敵は人間だろう。漁師も生活のために捕るし、釣り人もある程度は捕って殺す。その度が過ぎれば後で苦しむのも人間なのだ。船中大爆釣というのは幸せ溢れて実にいいことだが、そんな最中でも一人一人が殺さないように気を配るだけで、数年後に僕らのもとへちゃんとその効果が跳ね返ってくる。

 

ごめん。また話が反れた。みんなに伝えたいことが山ほどあってさ。

 

そんなフッコだらけの中で先週、友人が荒川上流部で95センチをランディングしたとの話を聞いた。

もうすでに川の中へ来ているのか。そう思いつつ、この雨を待っていた。

選んだのは中流域にある湿地帯へつながるシャロー。詳しい場所については勘弁してもらおう。川の中流域のポイントは非常に限られる。みんな水門や堰へ集まりがちだが、本当にすごいポイントはそんな場所ではないぞ、と思う。

ただ、荒川のシャローは左岸の上に高速が走っているために、少しプレッシャーが掛かりやすい。だから雨で濁りが出て増水気味であればその湿地帯の周りに広がるシャローにランカーが回遊する確率がグンと高くなると考えていた。

その為の雨待ち。そして地形的にも雨が降ると水の流れがより複雑になると考えられる場所なのだ。

ウェーダーを着込んでポイントに入る。岸際の水を見る限り、雨で相当に濁りが出たようだ。コーヒー色と言っても過言ではないぐらい濁っている。中潮の最終日なので潮位はそれほど高くないが、雨で増水しているのと下げ潮が程良く流れていて良い感じ。

手で触れて舐めてみる。水はかなり冷たく、そして塩分濃度も薄い。

というか、すごい泥まずい。ぺっぺっ!

まずは入水場所のすぐ近くにある乱杭を攻めてみる。何のためか知らないが、10数本の太い杭が固まって打ってある。その周りをハンマー13で一通り流してみるがバイトはない。

次にシープやアイマ、シーバックなどで執拗にチェックするも反応無し。

どうも魚は入っていないとみた。

次に100mほど下流側にある隠れ杭を攻めてみることにした。

この杭まで行くのに時間が掛かる。途中、異常にヘドリーな場所があって膝下まで埋まってしまう。

その隠れ杭はかなり岸際にある。岸から5mといったところか。だから岸からアプローチすると魚を散らしてしまう危険があった。だから上流側から、アプローチして攻める必要がある。しかも歩くと、激ヘドリーな濁りが出るので一回流心側に出て濁りを直接杭に当てないようにしないといけない。

そして流心側から岸際の杭を打つのだ。まさにボートシーバス的視線である。シャロー撃ちお得意のアドバンスをやっていなければこの視点は持てなかったかもしれない。

この隠れ杭は大潮のど干潮ぐらい潮が引かない限り、頭を水の上に出すことはない。

杭は見えるものだけで2本。この杭の攻めどころが難しいのは杭が頭を出す時は浅すぎて釣りにならないことだ。はっきりと位置が確認できるぐらい杭のてっぺんが水面に近づいていると魚が付く水深では無くなっている気がする。

潮位の高い時間に水没した杭の位置をわずかな水のヨレで推察しないといけないのだ。岸際にあるのである程度、位置の見当は付けることができるのだが。

おおよその見当を付けて近くまで寄って川面をじっと観察する。

わずかに杭の後ろに広がる流れのヨレから隠れ杭の位置を確認した。

流心側からシーバック120をキャスト。水面下20センチほどをスローにU字効果で誘う。杭の手前で一瞬リトリーブを弱めた時、一瞬だがもわっとしたバイト。

違和感を覚えながら少し送り込んでからアワセを入れてみる。が、カスリもしない。

やべっ、ちょっと遅かったか?

一瞬、頭の中に後悔の念が浮かんだが、おそらくルアーにバイトしたものの、ルアーには触れていないのでは、と、考えた。

感度の良いPEラインを使っているとシーバスのバイト時、ルアーを吸い込もうとするテンションを感じることが良くある。流れの中ではっきりと判らなかったがそんなイメージのバイトだった。

まだルアーに触れていないのならまた魚がバイトしてくるかもしれない。

時間はたっぷりあるので次のアプローチを考えることにした。

これが最も楽しい瞬間。次は何してやろうか。

その結果、悪いけどシーバック120は1投で終わり。スレるのが怖い。

そこでもう少し飲ませやすいようにカルマ130をセットする。

BANZAIも超入手困難で買うのにほんと大変だ。(昨日もモンロー115、やっと1本入手。)

たった1本ずつしかないカルマ130とシープ115。シープなどは2回もキャスト切れで飛んでいったが、なぜか後で見つかったり、下流側のアングラーが釣ってくれたりと、ロストの憂き目にあわずに今に至っている。

カルマ130もこの間バラした瞬間になぜかスナップも外れてしまって、ロストかと思ったが、向かい風で待つこと5分。ちゃんと戻ってきた。

そのカルマ130を杭の上流にキャストする。

アイマのようにデッドスローで流してU字効果で誘っても良く釣れるルアーだが、このルアー、ロッドを立ててスロージャークするとかなりいいダート的ふらつきを出す。そのふらつきで誘う。

2投目。水のヨレにうまく入ってテンションが抜けた瞬間、ぬるぬるぬるっとジャークを入れる。そんで、ヨレに流し込んでまたぬるぬるぬるっと。4回目、ヨレからブレイクを超えて流れの速いゾーンに入る直前。バイトが出るならここしかないって場所でぬるぬるっとやった直後、水面が激しく揺れた。

またもやロッドに何の感触も伝わってこなかったが、何者かがそこにいてルアーを見ていたことは判った。

もしかして雷魚!? 

(その時は本当にそう思った。)

雷魚は釣ったことないけど一回釣ってみたい魚ではあるので、それもいいなぁ。と訳判らないことを考えながらまた次のアプローチを考える。シーバックでバイト、カルマで反転。もっとアピールすべきか、よりナチュラルに持っていくか。

あまり極端に変化を付けるのも良くないように思う。

ここはカルマ130でナチュラルなカラーを出したいところだが、残念ながらパールカラーしか持っていないのでカルマ130もここで引っ込んでもらう。

次にハンマー13。これもなかなか江東区に住んでいると買えない入手困難ルアーだが、オークションやら川崎のフラッツの近くに住む友人に頼むなりで買いあさったおかげで、こっちはロストが怖くないほどには集まった。

(でも、無くすのが未だに怖い。みんながハチマルを大事にする気持ちは、僕の場合、他のルアーをもってして痛切に理解しているのだ。)

少し場所を休めてもいいかなと思って、10分ほど待つことにする。

改めて時計を見て、潮時表の記憶を頼りに時合を計算してみると今頃がイイ感じのはずだ。そう思っていると、もしかして浅いだけに、北風が強いだけに時合が早まって魚が出ていってしまうような気がしてきた。

そこで5分待っただけでキャストする。

ハンマーは去年と同じジャーク&ジャークで勝負。僕にとってこのルアーは一年中これしかない。U字効果で使うことはすっかりしなくなってしまった。そもそも激しいジャークをするための豪快な浮力なのだ。

着水直後から、ジョワーッと引いてすぐさまラインを巻いてジョワーッとロッドをあおる。この繰り返し。

端から見ると「あなた、ここは自衛隊堤防では無いですよ。」とか、「外房のヒラマサでも狙ってるんですか」と、言いたくなるぐらい、何狙ってるのって感じのメソッドだ。つまるところ、流れの中で非常に効果のあるU字効果をジャークの度に起こしていると考えてもらえば、このメソッドが釣れる理由もなんとなく解ってもらえるだろうか。

1〜3投目は反応無し。さっきの魚は逃げてしまったかなと嫌な予感がする。しかし、まだ杭の位置にきっちりと流し込んでいない。

4投目。ミスキャスト。ハンマーみたいな固定重心リップレスミノーは投げた瞬間のルアーのリップの向きで、少し飛行曲線にRが出る。今の場合、上方側に曲がったために北風に乗って飛ばしすぎてしまった。杭の後ろ側に着水。どうするか迷ったが、なるべく杭の方にアピールしないようにルアーを下流側に流してからそっと回収。

5投目。イイ感じでルアーが入る。サミングも決まって着水直後からラインテンションを張って流れを受けた姿勢でドリフトさせる。

ヨレに入ってテンションが少し抜けた瞬間に強めにジャークを入れる。

ハンマーは流れをつかんでいる時は潜るようなジャークになってしまうが、テンションの無い状態からヨレの中でジャークするとこのルアーはジョワーッと水面を滑るように割るのだ。

そのジョワーッとV字に割れる水しぶきに見とれた瞬間だった。流れをまた受けてふらついたハンマーに豪快な水しぶき。

まだアワセは入れない。ロッドに衝撃が伝わるまでずいぶんと長く感じた。1秒ほどあったかもしれない。ゴン!テンションが掛かった瞬間に強いアワセを叩き込む。

ロッドが絞り込まれる。そのままロッドを前に倒しながら、ラインを巻き取ってもう一発アワセ。

ビターン!と水面を叩いて魚は走り出した。

シーバス??もしかして雷魚?ブラックバス?とか、考えながらファイトする。

流心側に出てきたかと思ったらそのまま上流側に走り出した。ドラグを鳴らしてラインを引きずり出していく感じはやっぱりシーバスのはず、っぽい。とちょっとだけ確信。

複雑に変化するラインテンションに気を配りながらしばし止まるの待つ。止まった瞬間に下流側に走られるとラインテンションが緩んでバラしやすい。ドラグを微妙に締めてロッドを前に倒して止まるのを待つ。

30mほど走ったところでラインの出が遅くなった。ここでもう一発アワセを入れる感じで一気に走るのを止める。頭の向きを変えさせて一気に緩もうとするテンションを必死にリトリーブしてラインテンションを保つ。テンションを感じるのはロッドだ。ロッドが曲がり続けるようにするのは大変だ。

魚が下流に走り出した。もうとにかくラインを巻きとる。一瞬で今度は下流側へ。ドラグが甲高くうなってラインを吐き出す。上流側から一気に走ってきたので、ラインに急激に掛かった衝撃でラインブレイクするかと思ったが、何とか耐えてくれたようだ。ドラグを慌てて弱める。

後は正攻法。ロッドのテンションを一定に保ちながら慎重にファイト。2回ほどまた少し走ったがやがて力つきた。岸際に寄せていってそのままズリ上げる。

でけぇ!!

まずはメジャーでサイズを測ると全長93センチ。久々に興奮した。

写真を撮ってリリース。3分ほどの蘇生でゆっくりと川に泳いでいった。

申し訳ないが、写真がない。ルアー情報に出すのでポジフィルムで撮ってしまったので、5月号の釣行記を楽しみにしてくれ。

最近の取材運はアホみたいについてる。来週もテレビ取材が2連発。

「ボートでシャロー撃ちスペシャル」 byファイトフィッシング

「浜名湖のボートシーバス」 by釣りビジョン

この勢いで行くぞ、と願いたいところだ。

 

今回は20投以内でランカーを仕留め獲った。

狙って獲るなんて、格好良い言葉を連呼してきたがだいぶ様になってきた。

その後、30分ほどあれこれやったが何も反応無し。

満足して撤収した。

今後も雨が降り次第行くつもり。次回乞うご期待。

 

Tackle Data
ロッド PALMS
SGP-86M改
リール SHIMANO
STELLA 4000DH
ライン 東レ
スーパーシーバス
PE1号

PEリーダー5号
5m

フロロリーダー80lb 0.2m
ルアー ハンマー13
シーバック120
カルマ130
シープ115

 


4月25日

日時  4月25日
ターゲット シーバス
ポイント

荒川中流部

満足度 ★★★★★

先週からの怒濤の釣行の中でふと考えていたことがあった。

それは荒川中流部におけるパターンのことである。あまりにも河口部と違う魚の出方に少々とまどいを隠せないでいた。

中流部まで来ると河口と違い風向きの影響をあまり受けないのか。荒川の下げと北風という王道のパターンがいまいちはっきりと成立しないような気がしていた。

4月9日。大潮。荒川の下げと北風の中、ノーバイトのほげほげ。河口部なら爆釣になるはずのお得意のパターンが全く通用せず。いや?秋なら出たはずだ。秋のパターンを押し通したからか。3月に取った93センチは思いっきり秋の釣りだったが、もし春のパターンがあるのなら、その辺を構築していこうということを考えた。

ここ近年になって春のパターンとして無視できなくなってきたパターンに稚アユがある。5年前なら無視もいいところだった。いや、違うかな。今年に限って言えば今のところメインベイトとなっているのが稚アユというべきか。本来ならイワシが入って港湾部が釣れ盛るんだけど、今年は全く入ってこないから、スズキも川を上る稚アユを追う。そんで港湾部=釣れない&河川内=好調。という図式が成り立っているようだ。

じゃ、稚アユパターンってなんだろうか。ボートの魚探で見る限りでは、稚アユの行動は潮が上げると流心にたむろし、下げるとブレイクラインのショルダーにびっしりとついている。それらを出すパターンとは?

そして4月10日。ひとつの転機があった。ちょうど今釣りビジョンで放映しているボートシーバスの撮影だった。僕と浜松の鳥居さんが旧江戸川の河口などでボートシーバスをやるんだけど、その時のヒットパターンがブレイクのショルダー部にX-80SWを流し込むというパターンだった。ボトムをこづきながらショルダーから落ちた瞬間にバイトが出る。TVで見てもらうとわかるががんがん潮が下げている中でアホみたいにデッドスローでボトムをこづき続けて、まあそれなりに釣ってるのだ。

このパターンは一昨年ぐらいから知っていた。シーバスは沈んでいるのでプレッシャーがかかりづらいということも知っていた。だから今回はライトを点灯したまま撮影するという試みをしてみた。夜のシーバスフィッシングの釣りでライトをつけたまんまってのはほとんどないんだけど、今回はライトを点けっぱなしで撮影できたのでキャストからリトリーブ、アワセまで全部鮮明に撮れていて非常に面白い番組となった。

そん時、気づいた。荒川の魚も沈んでいるのかも。

どうもハンマーとかシープとか、水面系・水面直下系のルアーばかりキャストしていたので、ブレイクのショルダー部という意識で魚を狙っていなかった。もちろんルアーを通してはいたが、あくまで表層をデロデロッと引いていただけだったのかも。

そこでワンテンの登場となった。

前に、僕はワンテンというルアーはうんこちゃんだと書いたことがある。

泳ぐレンジがX-80SWと同じで11センチとなるといまいち投げる状況がない。ボートからの水深3〜5mのシャロー撃ちぐらいしか見いだせるものはなかったのだ。

ところがこのルアー、他のルアーが持っていないとんでもない武器がある。フラッシングである。その強烈きわまりないフラッシングはリアクションジャークベイトとして十分に使える。というか、そのジャンルのルアーを遙かに凌駕したものがある。おそらくシイラなんかイチコロのアクションを持っているのだ。(6番フックなのであっという間に延ばされるだろうけど。)

ということで、チューニング開始。まずは2mも潜る性能をどうにかしないといけない。そこでリップの長さと横幅を削って水の抜けをよくさせてやる。これでジャーク&ジャークで水深0.5m〜1mをキープできるようになった。もちろんジャーク時のフラッシングは強烈なままである。

細身の割にはタングステンウェイトで飛距離が出るし、ジャークベイトにありがちなフッキングの悪さを3連フックがカバーしている。

実に最強とも言っていいかもしれないミッドレンジダーターがここに完成した。

写真で見るとリップはこんな感じだ。パールレインボーが削ってあるほう。グリーンオーシャンがノーマルリップである。削り方は簡単。足下のコンクリートに擦り付けるだけである。もちろんやりすぎに注意。

 

ということで4月21日、そのワンテンを使ってドピーカンの旧江戸川シャローで2発のスズキを出せた。

うん、ワンテン釣れるぜ。そう思えるようにようやくなった。(ということで使わない宣言解除。)

 

4月25日釣行。風は北。いい感じだ。

まずは30日に93センチを出した杭を撃つ。ここはカルマ130。

3投目。杭を抜けた瞬間に水柱が立った。

アワセを叩き込むとその瞬間、魚も飛んできた。稚アユ食ってるのか、おなかがでっぷりとしていた。

湾奥のサイズである。こいつらもいよいよ川を上ってきたのか。

一通りシャローを攻めるが、それ以降反応なし。

というか、途中、ルアーチェンジの際にカルマを落としてしまった。とっさに延ばした手も届かずにカルマは流れの中へ。

・・・・はぁ・・・・。

 

 

 

そこでブレイク狙い。やはりブレイクは変化のあるところがいい。河川のカーブの変化が出る一帯。シャロー側の水がブレイクに流れ込む地形になっているところで粘ってみることにした。大型の回遊にシャローは無視できない。シャローに上がってこないんだとしたら、シャローに絡むブレイクラインのショルダー部。ここが大型シーバスのつきどころと考えた。

ちょっと回遊待ちになるとやっかいだが、この一帯のブレイクはけっこう急に落ち込んでいる地形をしているおそらくそこについているはずだ。

陸からだとショルダーからブレイクにルアーを落とすことができないので、ブレイクの途中にルアーを当てて擦り付けるようにジャークしてくるメソッドで挑んでみることにした。

川はいよいよ下げ時合に入った。流心にガンガンと潮が流れ出す。稚アユは流れの緩いシャローへ、スズキはその下のブレイクへという位置関係ができている頃だ。

ワンテンをキャスト。着水したら早めにリトリーブしてブレイクまで泳がせる。リップが触れた瞬間にジャーク。またジャーク。バイトはジャークの直後、川の流れにワンテンがふらついた瞬間に出るはずだ。

水深1.5m前後のブレイクラインをひたすらこすり続ける。

20分くらい経った頃。ブレイクに触れてジャークを入れた瞬間に、何かがルアーをひったくった。雷魚?(相変わらず淡水魚に期待する癖が抜けない)

ロッドを立てるとフッキングに成功。追いアワセをしっかりと入れてファイト開始。魚は流心の流れに乗ってドラグからラインを引きずり出していく。周りを確認する。ラインブレイクになるような水面に出ている障害物は無い。ならばと浮かせにかかる。ボトムは何があるかわからないからね。

50mぐらい遠くで豪快なエラ洗いが見えた。けっこう大きそうなシーバスだ。またまたラインを引きずり出していく。僕もどんどんと下流側へ走る。かなりのテンションを掛けているんだけど、全くバテる様子もない。すさまじい勢いで下流に走る。もしかしたらメーター級か?

そんな淡い期待も持ちながら必死に水の中を走る。

500mは下ったんじゃないだろうか。こっちの息もすっかり上がってしまった。ヒーヒーゼーゼーだ(笑)。

向こうもようやくバテてきた。まずはブレイクの上に寄せて流れから出してから距離を詰める。

岸際にズリ上げランディング。おもわずへたり込んでしまった。

思ったよりは大きくなかった。85ぐらいか。メジャー忘れたので正確には不明。

ワンテンをしっかりと食ったようなフッキングだった。

やっぱりこのサイズ、釣りたいよね。

 

 

スズキもかなりへろへろにバテていたので十分に蘇生をして元気になったところでリリース。

そこからまたキャストしてブレイクを撃っていく。少しずつ下流側に下がりながら撃ち続ける。

20分後ぐらいに、またフッコ。またもやジャークした直後だった。

こいつがまた走るもんだから、こっちも足がつりそうになった。

ということでここで終了した。

最後、岸際に流れていったカルマが引っかかってないか探しながらとぼとぼと川を上る。しかし見つからなかった。

また、買わなくては。

 

 

 

 

 

使用タックル
ロッド Palms SGP-86L
リール シマノ ステラ4000 DH
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ バンザイ カルマ130
   

 

 

 




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